シラバス照会

<< 最終更新日:2023年03月30日 >>
基本情報
科目種別 専門教育科目(法律B・政治B) 授業番号 G0091
学期 前期 曜日
科目 法律学政治学特殊講義(将棋で学ぶ法的思考・文書作成) 時限 5限
担当教員 木村 草太 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象

担当教員一覧

教員 所属
木村 草太 法律学コース
中村 太地 法学部
片上 大輔 法学部

詳細情報
授業方針・テーマ  本講義では、日本の伝統文化である「将棋」のルールと思考法を学びながら、「自戦記レポート」を通じて、法的思考および法的文書作成の基礎トレーニングを行う。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
 本講義では、「将棋」のルール、将棋における論理思考、記録(棋譜)のとりかたを身に付ける。また、そこで身に付けた思考を法的思考に応用し、時事問題などに関する法的論点について考える。そして、法的思考を、法的文書を作成することにつなげる。
 本講義の目標は、「将棋が強くなること」ではなく、あくまで「将棋の思考方法を理解し、それを応用して充実した法的思考・法的文書作成の力を身に付けること」である。ただし、課題や参考テキストを紹介する。棋力向上を目指す受講生は、適宜、ご活用いただきたい。
授業計画・内容
授業方法
講義計画は、以下の通り。

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受講希望者は、講義開講の前日(2023年4月12日水曜日)21時までに、講師宛に受講希望のメールを送ってください。
送り先:ksota@tmu.ac.jp
メールタイトル:将棋講座受講希望

メール本文に、
①学年・学習番号・名前・簡単な自己紹介
②受講を希望した動機
③将棋の経験の有無
(ルールを知らない~初級者までを想定した講義です)
の3点を記入してください。

参加希望者多数の場合には、①~③を参考に選別または抽選した上で、メール返信にて受講の可否をお伝えします。

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1 準備講義1:将棋のルール、将棋の思考と法的思考:分岐の考え方
2 準備講義2:棋譜の読み方ととり方、法的な論点の考え方
3 準備講義3:将棋の対局の進め方、法的文書の作成
4 プロ棋士による指導1:法的思考の整理
5 プロ棋士による指導2:法的文書作成の工夫
6 プロ棋士による指導3:法的思考の分岐点の意識
7 プロ棋士による指導4:中間レポートのための指導対局
8 中間レポート作成方法:法学論文を読む
9 法的レポート作成法:判例の調べ方、文書へのまとめ方
10 プロ棋士による指導5:感想戦と思考の整理
11 プロ棋士による指導6:法的思考の表現1
12 プロ棋士による指導7:法的思考の表現2
13 プロ棋士による指導8:自戦記レポートのための指導対局
14 自戦記レポート作成の指導、事例問題における論証の方法
15 自戦記レポート講評、質疑応答
全15回の講義中、8回は、日本将棋連盟所属の棋士の先生(片上大輔七段と中村太地七段)に講師をお願いする。

準備講義において、将棋のルールや基本的な考え方を解説する。
その上で、日本将棋連盟所属のプロ棋士の方に指導対局、自戦記の書き方などを解説して頂き、厳しい実戦の中で論理的思考を行う訓練をする。
また、木村担当の講義では、法学における重要論点を素材に、将棋の思考をどのように法的思考・法的文書作成に応用するか、を講義する。

受講生は、計2回の指導対局の棋譜を素材に自戦記レポートを作成し、論理的な思考を書面に表現する訓練を行う。法的思考や法的文書作成の「基礎体力」をつけたいと思う方、日本文化としての将棋に興味のある方、将棋を通じた法的能力の学習に興味のある方の受講を歓迎する。
授業外学習 法学、将棋いずれについても、予習や復習の範囲を講義の中で指定する。
参加者は、各自予習のうえ参加すること。
テキスト・参考書等 教科書は、主として予習用に利用する。また、将棋が初めての受講生には、将棋のルールの冊子を配布する。
毎回、講義では、将棋盤と駒を利用する。盤・駒を持っている者は持参すること(但し、マグネット版や自作盤・駒などは、指導対局が困難なため不可)。また、持っていない者には、指導用の盤・駒セットを販売する(詳細は第1回に説明する)。

教科書:
中村太地監修『どんどん強くなる こども詰将棋1手詰め』(池田書店、2017年)
中村太地監修『どんどん強くなる こども詰将棋3手詰め』(池田書店、2018年)
中村太地監修『どんどん強くなる こども詰将棋5手詰め』(池田書店、2018年)
  *棋力に合わせて、好きなものを1冊選択すること。初学者は1手詰めを推奨する。

参考書:木村草太『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書、2012年)
    片上大輔・東京大学将棋部監修『勝つための将棋 入門編』(理論社、2018年)
成績評価方法  出席点、2回のレポートにより採点を行う。レポートのための指導対局日は、試験日に準じる扱いとなるので、必ず出席すること。
*この講義では、実際に将棋の対局を行うこともあるが、将棋の勝ち負けは、成績評価に一切影響しない。
質問受付方法
(オフィスアワー等)
講義の前後、質問などを受け付ける。
特記事項
(他の授業科目との関連性)
 この講義は、主として法学の基礎力を身に付けたいと考える1・2年生を対象とする。棋力については、初級者・初心者を対象とする。ルールの解説から講義をするので、将棋のルールを知らなくても構わない。なお、自戦記レポートの採点は、論理的思考の表現力を基準に行うため、棋力の高低は採点に影響しない。
備考