授業方針・テーマ |
本演習の目的は、有権者、消費者、企業、政治家、官僚といった社会科学における様々なアクターの行動を説明する理論、モデルについての理解を深めるとともに、履修者自身でこれらアクターの行動に関する仮説を立てて、調査・実験データの分析を通じて検証するスキルを身につけることにある。過去50年の間に、社会科学ではアクターの行動を「科学的に」説明しようとする研究が飛躍的に発展し、多くのモデルが構築されてきた。一方で、未だに解明されていない行動のメカニズムも多く、現在も様々なアプローチから多くの研究者による挑戦が続けられている。本演習では、最先端の行動モデルについて理解した上で、履修者自身が人々の行動メカニズムを検証することができるようになるためのスキルの養成を目指す。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
前期では主に課題資料を用いて、社会科学におけるアクターの行動モデルと理論構築および実証分析の方法についての理解を深める。その上で世論調査/社会調査データの2次分析を行う。履修者には、毎週指定される文献を読んで課題に答えることが求められる。後期では、履修者の関心に沿った実証研究を行う。その際、研究テーマによっては実験やアンケート調査なども実施する。また、実証分析を通じて統計解析ソフトを用いた多変量解析の方法を身につけることを目指す。
※2018年度 実験政治学研究例 ・幸福の条件 ・不安感と寛容性 ・「有名人による表敬訪問」が首相に対する感情温度に与える効果 ・一票の格差と投票率 ・自信と能力 ・「敵意」と購買意図 |
授業計画・内容 授業方法 |
■前期 第01回 イントロダクション 第02回 理論:経済学的モデル 第03回 理論:心理学的モデル 第04回 理論:政治学的モデル 第05回 理論:行動経済学・実験経済学・神経科学・進化生物学的モデル 第06回 理論構築の方法1(因果関係の定義と条件) 第07回 理論構築の方法2(戦略的相互作用とゲーム理論) 第08回 実証分析の方法1(仮説検証、ロジカルシンキング) 第09回 実証分析の方法2(調査データの扱い方) 第10回 実証分析の方法3(多変量解析の基礎、統計ソフトの扱い方) 第11回 実証分析実習1 第12回 実証分析実習2 第13回 実証分析実習3 第14回 論文執筆とプレゼンテーションのルールと技法 第15回 研究計画プレゼンテーション ■後期 第01回 イントロダクション 第02回 研究計画報告1 第03回 研究計画報告2 第04回 研究計画報告3 第05回 調査・実験準備1 第06回 調査・実験準備2 第07回 調査・実験準備3 第08回 調査・実験準備4 第09回 データ分析1 第10回 データ分析2 第11回 データ分析3 第12回 論文執筆1 第13回 論文執筆2 第14回 最終成果報告1 第15回 最終成果報告2 |
授業外学習 |
履修者は各回に出させる課題について、授業前までにkibacoから提出すること |
テキスト・参考書等 |
開講時にアナウンスする。 |
成績評価方法 |
成績は以下の基準で相対評価を行う。 1.各回の課題(前期):20% 2.研究計画書(前期):20% 3.最終成果にもとづいて執筆する論文(後期):50% 4.出席等、授業への貢献(通年):10% |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
オフィスアワー:毎週水曜日3時限 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
■履修にあたって、以下にあげる全科目の単位を修得済みであることを前提条件とする。 1.現代政治入門 2.政治理論入門 3.政治学 ■また、効率的な研究のために以下の科目を並行して履修することを強く推奨する 4.現代日本政治 5.比較政治学6.国際政治学 ■履修希望者は、kibacoの本科目に予め自己登録をし、初回授業時に実施するガイダンスに必ず参加すること。なお、ミスマッチを防ぐために担当教員との面談によって最終的な履修の可否を決定する。万が一、履修希望者数が想定よりも大幅に多い場合には、選抜を行うこともある。 ■参考:担当教員ウェブサイト ■本演習で扱う理論・モデルおよび方法は、以下の専門分野との関連が強い。関連領域:政治過程論・行動論、世論・マスコミュニケーション研究、社会心理学、認知心理学、ミクロ経済学、行動経済学、消費者行動論、マーケティング論 等 |
備考 |
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