シラバス照会

<< 最終更新日:2019年03月20日 >>
基本情報
科目種別 基礎科目群 授業番号 A0431
学期 前期 曜日
科目 基礎ゼミナール 時限 4限
担当教員 荒井 紀一郎 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象
GAA-101-3:全学共通科目

特別申請科目

担当教員一覧

教員 所属
荒井 紀一郎 政治学コース

詳細情報
授業方針・テーマ テーマ 【政治学の方法】
以下のような話をこれまでにどこかで聞いたことはないだろうか?
A:「ある工事を受注していた企業の大半が、ある政治家に違法な献金をしていた。だから、この政治家はこれらの企業に口利きをしていたに違いない。」
B:「日本は戦後急速な経済発展を遂げ、世界有数の経済大国になった。これは、日本人がそもそもまじめで勤勉な気質だったからだ。だから、日本は特殊な国である。」
C:「学校の成績を向上させる要因を特定するために、全国の高校から成績優秀者を無作為に500人抽出して調査を行ったところ、彼らの7割が毎朝きちんと朝食をとっていることがわかった。したがって、朝食をとることは成績の向上にもつながるといえる」
上記3つの推論は、科学的にはどれも完全に間違いである。本演習は、政治学におけるリサーチデザインの基礎を理解することで、タームペーパーや卒業論文などの学術論文を書く際に陥りがちな推論上の誤りを犯さないためのスキルを身につけることを目的とする。学期前半ではテキストを用いながら、科学的な推論の方法の理解を目指す。後半では、リサーチペーパーの進捗状況の報告と、論文執筆のためのルール(引用や文献のつけ方など)と技法(パラグラフの構造など)の解説を中心とする。リサーチペーパーのテーマは、個人と社会との関わりについて実証的に論じるものであれば自由とする。履修者の興味関心に従って決めてほしい。なお、上記ABCの推論がなぜ間違っているのかについては、担当教員が実施する最初の授業で解説する。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
「科学的な推論」を中心とした政治学における仮説検証(実証研究)の方法論と、学術論文の読み方・書き方の基本を修得し、「レポート=調べたものをひたすらまとめる」という発想からの脱却を目指す。
授業計画・内容
授業方法
第1回 基礎ゼミナールガイダンス
第2回 科学的推論の方法1:1.「研究」とは?-FindingsとImplication-
2.科学的推論とは?
第3回 科学的推論の方法2:1.理論研究と実証研究 2.理論と方法
第4回 科学的推論の方法3:1.因果関係の定義 2.比較の重要性
第5回 科学的推論の方法4:1.仮説検証 2.反証可能性
第6回 科学的推論の方法5:1.単位同質性
第7回 リサーチペーパーのテーマ決定
第8回 先行研究の活用法1:1.文献の探し方 2.データの探し方
第9回 先行研究の活用法2:1.学術論文の読み方 2.統計図表の見方
第10回 論文執筆のルールと技法1:1.引用の仕方 2.参考文献のつけ方
第11回 論文執筆のルールと技法2:1.「はじめに」は最後に書く 2.パラグラフの役割と構造
第12回 リサーチペーパーのための分析、執筆1
第13回 リサーチペーパーのための分析、執筆2
第14回 リサーチペーパーのための分析、執筆3
第15回 研究報告
授業外学習 毎週指定される課題をkibacoから提出すること
テキスト・参考書等 各回の授業は以下の文献をベースに構成している。
参考書
久米郁男.2013.『原因を推論する-政治分析方法論のすすめ-』有斐閣(1,890円)
神田善伸.2015.『初心者でもすぐにできるフリー統計ソフトEZR(Easy R)で誰でも簡単統計解析』南江堂(4,101円)
成績評価方法 A.各回の授業で出題される課題での得点:30%
B.最終研究報告でのプレゼンテーションに対する評価:30%
C.学期末に提出するリサーチペーパーに対する評価:40%
質問受付方法
(オフィスアワー等)
オフィスアワー:毎週水曜日3時限
特記事項
(他の授業科目との関連性)
本ゼミの履修にあたって、学期後半では計量分析を扱うため各自ノートパソコン、ラップトップを用意すること。統計解析用のソフトウェアをインストールする必要があるので大学が貸し出しているノートパソコンは使用できない。また、授業を欠席する場合は、必ず事前に教員まで連絡すること。2回以上の無断欠席で本科目の単位は認めないこととする。
担当教員ウェブサイト
備考