授業方針・テーマ |
宇宙航行力学は,人工衛星や惑星探査機などの宇宙機について,その飛行軌道と軌道制御に関する力学的諸問題を取り扱う. そもそも宇宙機の軌道設計は,最終的には複雑なシミュレーションの上に確定するものであるが,初期設計の段階では手計算と電卓で立案するものである.本講義ではそのために必要な宇宙航行力学の基礎を習得する. なお,本講義では授業ノートが膨大になる.これは数式やモデルを「書く」ことで鍛錬するためである. |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
本講義では宇宙工学の基礎として重要な分野である宇宙航行力学についての基礎を習得出来る. 高校物理や大学2年生までに習得したニュートン力学,微分積分,線形代数,ベクトル演算などの基礎を用いた宇宙航行力学の数学的解法や考え方を体得する. 講義内で多くの例題を解くことによって宇宙航行力学に関する問題解決能力を鍛え,最終的に宇宙機の軌道の初期設計,例えば静止軌道投入や惑星探査機の軌道立案が行える. |
授業計画・内容 授業方法 |
【授業計画・内容】 本講義は以下の内容に沿って進めるが,進捗や要望に応じて適宜追加・変更を行う.
第1回 シラバス確認・ガイダンス・惑星の軌道力学 第2回 ケプラーの法則と円錐曲線 第3回 ビデオ鑑賞(「COSMOS~宇宙の調和~」を予定.ケプラーの法則に関する.) 第4回 慣性座標系と軌道要素 第5回 軌道決定及び位置・速度予測 第6回 座標変換・射点緯度の影響 第7回 軌道上の飛行時間 第8回 単一インパルス軌道変更 第9回 二重インパルス軌道変更・軌道面変更 第10回 惑星の影響圏 第11回 影響圏からの脱出と惑星通過 第12回 接続円錐曲線法 第13回 火星・金星への飛行 第14回 太陽系グランドツアー 第15回 期末試験・総括
【授業方法】 講義を中心とした授業を実施するが,適宜演習を実施し,授業で扱った事項の定着を促し,理解の度合いを測定する.
【授業外学習】 各回授業の終わりには,次回の内容のキーワードを示すので,次回講義までに各自でテキスト・参考書等,またはウェブ情報を用いて予習を行っておくこと. |
授業外学習 |
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テキスト・参考書等 |
基礎的な学習に加えて更に踏み込んだ内容を学ぶために.下記を参考書として例示する. ・共立出版 機械システム入門シリーズ③ 「宇宙航行力学」 室津義定 著 ・培風館 「宇宙工学入門Ⅱ」 茂原正道・木田隆 著 ・東京大学出版会 「宇宙ステーション入門」 狼・冨田・中須賀・松永 著 ・コロナ社 宇宙工学シリーズ3 「人工衛星と宇宙探査機」 木田・小松・川口 著 |
成績評価方法 |
期末試験〔60%〕,レポート〔20%〕,出席〔20%〕 なお,レポートの内容や実施時期については進捗を鑑みて授業内で指定する. |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
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特記事項 (他の授業科目との関連性) |
・制御・宇宙利用分野科目 ・微分積分や線形代数,三角関数やベクトルの演算の理解が必要である. ・レポートは紙媒体または下記アドレスへメール添付にて提出とする予定である. sahara@tmu.ac.jp
【質問受付方法】 質問等がある場合は授業後に受け付ける.またはメール等で事前に連絡の上で教員居室(1-213号室)を訪ねること. |
備考 |
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