シラバス照会

<< 最終更新日:2016年03月30日 >>
基本情報
科目種別 都市教養プログラム 授業番号 B455
学期 前期 曜日
科目 現代政治入門 時限 2限
担当教員 荒井 紀一郎 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象
GCB-105-1:全学共通科目

担当教員一覧

教員 所属
荒井 紀一郎 政治学コース

詳細情報
授業方針・テーマ 議会における与野党の攻防や選挙における政権交代、政策決定過程における利益団体と政治家、官僚との間で行われる駆け引き、さらには国家間における戦争や紛争といった政治現象は、政治家、官僚、利益団体、そして有権者などの政治過程に関わる様々なアクターと、政治経済制度との相互作用によって起きている。本講義では、そうした政治現象を科学的に理解するための「理論」「モデル」および「方法」の基礎について解説していく。まず、学期前半には各政治アクターの行動を説明するための理論とモデルについて解説し、次いで、政治現象を分析するための方法の基礎について扱った後、学期後半ではアクター同士、あるいはアクターと制度との相互作用を理解するためのモデルを紹介していく。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
政治にかかわる様々なアクターの行動メカニズムについて理解するとともに、政治現象の分析手法の基礎を身につけることを目的とする。
授業計画・内容
授業方法
第1回:イントロダクション
   ・政治学のパズル、Political "Science"である理由、規範と実証、理論とモデル

パートI:政治アクターの行動メカニズム
第2回:政治アクターの行動メカニズム
   ・社会学モデル、経済学モデル、心理学モデル
第3回:有権者
   ・スキーマとイデオロギー、政治的洗練性
第4回:議員
   ・議員の行動インセンティブ、デュベルジェの法則
第5回:政党
   ・連合形成、政党の機能
第6回:官僚と司法
   ・本人-代理人関係、政党優位論、官僚優位論

パートII:政治学の方法
第7回:因果的推論の方法1
   ・因果関係の条件、N=K problem
第8回:因果的推論の方法2
   ・比較の方法、測定と操作化、反証可能性
第9回:因果的推論の方法3
   ・相関関係と因果関係、検定、回帰分析
第10回:因果的推論の方法5
   ・ロジカルシンキングの基礎、MECEとロジックツリー、生態学的誤謬

パートIII:アクターと制度との相互作用
第11回:有権者 vs. 議員
   ・政治参加、投票行動
第12回:メディア vs. 有権者 vs. 政府
   ・アジェンダセッティング、フレーミング、プライミング
第13回:利益団体 vs. 官僚 vs. 政治家
   ・族議員と議員連盟、少数者の支配、鉄の三角同盟
第14回:国家 vs. 国家
   ・紛争の発生メカニズム、悪魔の弁護人
第15回:期末試験
   ・理解度の確認
授業外学習
テキスト・参考書等 教科書は特に指定しない。講義資料は、すべて首都大のeラーニングシステムであるkibaco(https://kibaco.tmu.ac.jp/portal)にアップロードされているので、各自ダウンロード、プリントアウトして持参すること。以下、3冊を参考書として推奨する。

○理論参考書
   砂原庸介・稗田健志・多湖淳.2015.『政治学の第一歩』有斐閣ストゥディア.
   飯田健・松林哲也・大村華子.2015.『政治行動論』有斐閣ストゥディア.
○方法論参考書
   久米郁男.2013.『原因を推論する』有斐閣.
成績評価方法 期末試験100%
なお、授業中の発言等によって別途、最終成績に加算することもある。
質問受付方法
(オフィスアワー等)
特記事項
(他の授業科目との関連性)
政治学の理論は、大きく「実証理論(どうなっているか)」と「規範理論(どうあるべきか)」の2つに分けられる。本講義では前者を中心的に扱うため、政治学に関心のある学生は、政治思想や政治哲学などの規範理論を中心的に扱う「政治理論入門(後期開講)」も履修することを強く推奨する。なお、政治学コースの必修科目である「政治学(後期 火曜5限・金曜5限)」は、「現代政治入門」および「政治理論入門」の単位を修得済みであるか、並行して履修することを前提として講義を進めるので注意されたい。

担当教員ウェブサイト(http://www.arai.polisci-tmu.jp/)
備考