シラバス照会

<< 最終更新日:2015年03月30日 >>
基本情報
科目種別 授業番号 C051
学期 前期 曜日
科目 法律学政治学特殊講義(将棋で学ぶ法的思考・文書作成) 時限 5限
担当教員 木村 草太 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象

担当教員一覧

教員 所属
木村 草太 法律学コース

詳細情報
授業方針・テーマ 本講義では、日本の伝統文化である「将棋」のルール、思考法を学びながら、「感想戦」の実施、「自戦記レポート」を通じて、法的思考および法的文書作成の基礎トレーニングを行う。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
本講義では、「将棋」のルール、序盤戦略・中終盤の攻防、将棋における論理思考、記録(棋譜)のとりかたを身に付ける。また、公法学の論点を素材に、そこで身に付けた思考を法的思考に応用し、また法的文書を作成することにつなげる。
 本講義の目標は、「将棋が強くなること」ではなく、あくまで「将棋の思考方法を理解し、それを基礎とした充実した法的思考・法的文書作成の力を身に付けること」である。
授業計画・内容
授業方法
講義計画は、以下の通り。
 1 ガイダンス講義:本講義の狙いと進め方、将棋のルールと法的思考
 2 準備講義1:棋譜の読み方ととり方、駒組み、法的思考の記録法
 3 準備講義2:中盤の展開と勝負のつけ方、感想戦、法的思考の展開
 4 準備講義3:自戦記レポートと法的レポートの作成の解説
 5 プロ棋士による指導1、法的思考整理の解説1
 6 プロ棋士による指導2、法的文書作成の解説2
 7 自戦記レポートの講義、プロの自戦記、法的思考と法的文書作成の指導
 8 プロ棋士による指導3、法的思考の分岐点の意識1
 9 プロ棋士による指導4、法的思考の分岐点の意識2
10 プロ棋士による指導5、感想戦と思考の整理
11 プロ棋士による指導6、法的思考の表現1
12 プロ棋士による指導7、法的思考の表現2
13 プロ棋士による指導8:自戦記レポート用の棋譜をとる
14 自戦記レポート作成の指導、プロの棋譜並べ
15 自戦記レポート講評、質疑応答
全15回の講義中、8回は、公益社団法人日本将棋連盟所属の棋士の先生(片上大輔六段と中村太地六段)に講師をお願いする。


ガイダンス講義・準備講義において、将棋のルールを理解し、将棋の思考を理解する。その上で、日本将棋連盟所属のプロ棋士の方に指導対局、自戦記の書き方などを解説して頂き、厳しい実戦の中で論理的思考を行う訓練をする。
また、講義では、憲法学における重要論点を素材に、その日に身に付けた将棋の思考をどのように法的思考・法的文書作成に応用するか、を解説する。

受講生は、計2回の指導対局の棋譜を素材に自戦記レポートを作成し、論理的な思考を書面に表現する訓練を行う。法的思考や法的文書作成の「基礎体力」をつけたいと思う方、日本文化としての将棋に興味のある方、将棋を通じた法的能力の学習に興味のある方の受講を歓迎する。
授業外学習
テキスト・参考書等 本講義では、教科書は用いず、必要なテキストは配布する。但し、将棋初心者の方は、将棋のルールが分かる本や冊子などの準備を推奨する。
毎回、講義では、各自、将棋盤と駒を利用する(詳細は第1回に説明する。)

参考書:木村草太『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書、2012年)
将棋初心者用参考書:羽生善治『羽生善治のみるみる強くなる将棋 序盤の指し方 入門』(池田書店,2009年)、同『羽生善治のみるみる強くなる将棋 終盤の勝ち方 入門』(池田書店,2010年)。
成績評価方法 出席点、2回のレポートにより採点を行う。特に、レポートのための指導対局日は、試験日に準じる扱いとなるので、必ず出席すること。
*この講義では、実際に将棋の対局を行うこともあるが、将棋の勝ち負けは、成績評価に一切影響しない。
質問受付方法
(オフィスアワー等)
特記事項
(他の授業科目との関連性)
この講義は、主として法学の基礎力を身に付けたいと考える1・2年生を対象とする。
講義は、初級者・初心者を想定して行う。ルールの解説から講義をするので、ルールを知らなくても構わない(有段者・上級者については、チューター的役割など、個別に相談させていただきたい)。自戦記レポートの採点は、論理的思考の表現力を基準に行うため、棋力の高低は採点に影響しない。
 本講義は20名を上限とする。受講希望者は、第1回授業に必ず出席し、ガイダンスをふまえて、受講申込書を提出すること。申込書は、第1回の授業において配布する。申し込み多数の場合は、受講申込書の記載を参考に選考を行う。
備考